産後のガルガル期をご存知ですか?
ガルガルという言葉から「ガルルル・・・」とうなっているイメージを連想してしまいますが、
まさにそのとおりで、誰に対しても敵意むき出しにしてしまうことがきっかけで
最悪のパターンでは離婚までつながってしまうほどの影響力を持っています。
事前に、この産後のガルガル期について夫婦で理解しておくことで
夫婦お互いが助けあい乗り越えることができるようになります。
そこで、今回は、産後のガルガル期の原因や対処法などについて
徹底的に解説していきます。
産後のガルガル期とは
産後のガルガル期とは、他人が赤ちゃんに触れることに酷い嫌悪感を覚える期間をいいます。
ガルガル期は特に、産後すぐの時期に現れることが多く、中には夫にすら赤ちゃんを触らせたくないと感じる母親も少なくありません。
このような感情が生まれる大きな理由は、『赤ちゃんを守ろう』という母親としての本能だと言われています。
そのため、出産を経験したほとんどの母親がこのガルガル期を経験しています。
産後のガルガル期は、赤ちゃんに触れられることに嫌悪感を覚える人の範囲も、ガルガル期の期間も人によって異なります。
例えば、他人はもちろん、夫ですら触らせたくないと言う人も居れば、友人は触ってもいいが義母だけはダメと言う人もいます。
また、赤ちゃんが新生児の時期を過ぎると症状が落ち着いてくる人も居れば、子どもが1歳を過ぎても嫌悪感を感じるという人もいるほど、産後のガルガル期の個人差は激しいです。
ですので、周囲の人は赤ちゃんに触って良いか、抱っこしても良いかということを母親に確認を取ってあげると、とても親切です。
産後のガルガル期の原因
産後のガルガル期が発生するは以下のような原因があるといわれています。
・ホルモン
・子供を守ろうとする本能
・睡眠不足・育児疲れ
産後のガルガル期の原因:ホルモン
産後に、母親にガルガル期が訪れる原因の1つに、ホルモンバランスの変化が挙げられます。
通常、女性は妊娠をしますと、エストロゲンやプロゲステロンと言った、胎児を健康に成長させるためのホルモンの分泌が盛んになります。
このようなホルモンの増加が、妊娠中のイライラや倦怠感につながっていきます。
そして、無事に赤ちゃんが産まれますと、今度は身体が妊娠前の状態に戻ろうとするために、エストロゲンなどのホルモンが急激に減少していきます。
すると、母親の身体はホルモンの急激な減少によって、気持ちに落ち着きがなくなったり不安感が増したりする現象が現れます。
このような不安感などの表れが、赤ちゃんを守ろうとする反応につながっていくために、我が子を誰にも触らせたくないと感じてしまうようになります。
産後は、幸せや喜びを感じることが多いですが、同時に母親には不安や疲労も日々増えていくということを、夫や周りの人たちは理解をしてあげる必要があります。
産後のガルガル期の原因:子供を守ろうとする本能
産後に、多くの人が経験をするガルガル期は、子どもを守ろうとする本能だと言われています。
産後のガルガル期は、動物には全般的に見られる症状で、例えば飼い犬が赤ちゃんを産んで、飼い主が赤ちゃんのケアをしようとすると、母犬に噛まれるなどのようなケースもよくあります。
このようなケースが人間でも見られるのが、産後のガルガル期にあたります。
また、産後は子育ての疲労が溜まったり睡眠不足が続くと、子どもを守らなくてはならないという本能が働くこともあり、より強いイライラや不信感などを覚えやすくなります。
さらに、母親はこのガルガル期に嫌なことを言われたり、気に触る態度を取られたりすると、普段よりもその相手に嫌悪感を覚えやすくなります。
これも、子どもを守ろうとする本能の表れで、嫌なことをする相手を遠ざけようとする気持ちが強くなる傾向があります。
このような周りの人を敬遠したくなる時期は、子どもが大きくなるにつれて和らいでいきますので、周囲の人もこの症状を理解した上で、暖かく見守ってあげることが大切です。
産後のガルガル期の原因:睡眠不足・育児疲れ
産後にガルガル期の原因の1つには、24時間体制の育児での睡眠不足や疲れなどが挙げられます。
このように、睡眠不足や疲労が重なると、産後の母親でなくとも誰しもがいらだちが強くなったり、強い口調になってしまいがちです。
産後の母親は、小さな命を守ろうとする本能がある上に、このような要因が重なっていきますので、睡眠不足が続いたり育児疲れが溜まってくると、産後のガルガル期も長引いてしまいます。
つまり、睡眠不足や育児疲れは、ガルガル期の直接的な原因というよりも、ガルガル期を増長させてしまう要因ということです。
しかし、母親も可愛い我が子が産まれて、イライラして育児はしたくないものですし、好きでガルガル期を長引かせているわけではありません。
ですので、特に身近な存在である父親は、できる限り育児に協力する姿勢を示す必要があります。
もし、ガルガル期によって父親が子どもに触れることを嫌がるようでしたら、母親の気持ちが落ち着くのを待って、できる家事などだけでも手伝うようにしていくことが大切です。
産後のガルガル期はいつからいつまで
産後のガルガル期は、一般的には産まれてすぐに強く症状が出てきて、産後半年から1年の間には落ち着くと言われています。
ですが、この期間はあくまでも一般論ですので、育児環境や精神状態によっては、もっと長くガルガル期が続く人もいれば、全くと言って良いほどガルガル期がない人も中にはいます。
一般的にガルガル期が終わると言われる、産後半年から一年という期間は、母親のホルモンバランスが落ち着く期間だと言われています。
また、この時期には、赤ちゃん自身が母親や父親と、その他の人をはっきりと区別できるようになり、人見知りが始まる時期です。
ですので、母親は過度に赤ちゃんを守ろうとしなくても、赤ちゃんの方から自分のことを必要としてくれると実感が持てるようになります。
このように、自分が赤ちゃんにとって唯一無二の存在であると実感ができるようになって来ますと、自分と赤ちゃんの絆を感じられて自分に自信が持てるようになるとともに、周囲に対しても寛容な態度が取れるように変化して来ます。
産後のガルガル期に傷ついた言葉
産後は、多くの母親が精神的にも繊細になっている時期にあたります。
ですので、普段であれば気にしないような言葉でも、ガルガル期に言われることで異常に傷ついてしまう可能性があります。
例えば、『赤ちゃんの顔、似てないね』などのような言葉は、普段でも言われるとあまり気分の良い言葉ではありませんが、ガルガル期に言われるとより一層気分を害したという人は少なくないです。
なぜならば、父親ですら赤ちゃんに触ることを拒むこともあるほど、赤ちゃんを守る気持ちが強いガルガル期の母親は、『親に似てない』と言われてしまうと、言った人は悪気がないとしても母親は重く捉えてしまいがちです。
ですので、『似ていない』という言葉の他にも、『猿みたい』とか『◯◯ちゃんの方がかわいい』などのような言葉も同様に、母親にとっての愛する我が子の容姿について、無神経な言葉をかけることはNGです。
また、『老けた』や『体型が戻らない』などのように、母親の容姿についての無神経な言葉で傷ついたという経験をした人もたくさんいます。
産後のガルガル期の対処法
産後のガルガル期の対処法には以下の方法が挙げられます。
・周囲の理解を得る・周囲に甘える
・話し相手を見つける
・取り返しのつかないことを言わない
産後のガルガル期の対処法:周囲の理解を得る・周囲に甘える
産後のガルガル期をうまく乗り越えるためには、周囲の理解を得ることが不可欠です。
しかし、一番身近や存在である父親は、自分がガルガル期を経験することができないことからも、なかなか見ているだけでは理解ができないことも多いです。
ですので、まずは産前に夫婦で、『産後に起こる変化』というものをしっかりと話し合って勉強をしておくことが必要です。
その上で、産後にガルガル期が訪れた場合には、他の人に赤ちゃんに触れて欲しくないと感じるということを、まずは父親に理解をしてもらいましょう。
おそらく、父親は少なからずショックを受けると思います。
さらに、父親にすら触られたくないと言われれば、より一層、落ち込むと考えられます。
しかし、その旨を話さずに、ただただ父親から赤ちゃんを遠ざける態度をとったならば、父親は訳もわからずに辛い思いをしてしまいます。
ですので、まずは父親から理解を得た上で配慮をしてもらい、母親が子育てに専念できるように、家事など別の方向から手助けをしてもらう体制を整えましょう。
産後のガルガル期の対処法:話し相手を見つける
産後は、ガルガル期に限らず今まで会えていた友人や、勤めていた職場の知人などとの交流が極端に減少します。
すると、母親は家にこもりがちになり、相談や愚痴をこぼす相手も少なくなり、悩みや苦労を一人で抱え込みがちになります。
そこで、ガルガル期のような自分でもうまく感情のコントロールが出来ない時期は特に、同じような悩みを持つ人や、その悩みを乗り越えた人に話を聞いてもらうことをおすすめします。
とは言いましても、小さい子どもを連れて出かけることは大変ですし、逆に疲れてしまう可能性もあります。
ですので、そのようなときには電話やメールなどで話をするだけでも、大きな気分転換になります。
また、里帰りをしている期間は、母親の先輩としても実母が非常に頼りになる存在になるでしょう。
同じ苦難を乗り越えた実母でしたら、悩みや相談、的確なアドバイスをしてくれますので、産後の気が立っている母親も安心して生活ができて、産後のガルガル期の軽減にもつながります。
産後のガルガル期の対処法:取り返しのつかないことを言わない
産後のガルガル期は、母親の気が立っていることもあり、今までよりも強い口調で周囲に当たってしまうケースが多いです。
例えば、父親に食後にお皿を洗って欲しいとき、今までであれば「洗ってもらえる?」と言えていたのが、産後は「皿くらい言われなくても洗ってよね」というような言い方になってしまいがちです。
このような言葉を言ってしまう傾向があるのは、ある程度周囲も理解してあげなくてはならない範囲かもしれません。
しかし、「父親があなたでなければよかった」などのように、取り返しのつかない言葉は、いくら疲れていても寝不足でも、決して言ってはいけません。
もちろん、自分が同じことを言われたならばショックなのは誰にでも分かりますし、言った本人が忘れても、言われた方はいつまでも忘れられないものです。
ですので、母親のガルガル期が過ぎた後でも、父親はいつまでもその言葉が忘れられずに、悩んでしまうケースもあります。
また、母親本人も言ったことを後悔するケースが多いですので、気が立っている時ほど言葉を選んで話すことが大切です。