あなたは以下の会話においてAさんが社交辞令をしていると受け止めるでしょうか。

Aさん「私は~のファンなんです。」⇒Bさん「えっ!そうなんですか。私もなんです。」Aさん「ほんとですか!いつか~のコンサートへ行けたらいいですね。」

答えは、社交辞令ということになります。もし、この会話の後でBさんが「Aさん、〇〇日は予定が空いてますか?一緒にコンサート行きましょう!」といったときにはAさんは「用事があるから」といって断る可能性のほうが高いです。(もちろん本当にコンサートへ行ってくれる方も中にはいるかもしれませんが確率としては少ないです。)

なぜ、社交辞令をするのでしょうか。それはAさんにとって、その場しのぎの会話をしていればよいと考えているからです。ですので、社交辞令を真に受けてしまうとAさんから見れば、Bさんは社交辞令が通じない人と思ってしまいます。

このように社交辞令は非常に紛らわしい状況でも使われる傾向がありますが、社交辞令かどうかをしっかりと見極める必要があります。

ここでは社交辞令について悩まれているあなたに、社交辞令が通じない人の特徴や社交辞令を真に受けてしまう人への対処法や社交辞令を見分ける方法をご紹介していきます。

社交辞令が通じない人の特徴と心理

社交辞令が通じない人にありがちな特徴と心理は以下の通りです。

・日常生活において社交辞令をしない
・空気を読むことができない
・冗談を言うこと自体が嫌い
・皮肉を言っても通じない
・根っからの真面目
・社会経験が備わってない
・性善説が当たり前と思っている
・普段からあまり褒められたことがない
・自信過剰なのでお世辞が通じない
・国語力が備わっていない
・コミュニケーション障害に近い
・自分勝手な思い込みをしてしまう
・相手の気持ちを考えられない
・行動が早すぎる

社交辞令が通じない人の特徴と心理:日常生活において社交辞令をしない

社交辞令とは、人付き合いにおいて日常的に物事を円滑に進めていくために発言することが望ましいと思われる挨拶や相手を褒める言葉のことです。

しかし、中には社交辞令が通じなくて言ったことを真に受けてしまったり鵜呑みにしてしまったりする人もいます。

特に、自分自身が日常生活において社交辞令をしない人は社交辞令の使い方や必要性を感じていることが少ないですので、相手からの社交辞令も通じない傾向があります。

このように、社交辞令が通じない人に対して社交辞令を使うことは、『バカにしている』と思われてしまうこともあり、逆に失礼にあたってしまいかねません

ですので、相手に対して社交辞令を使う時には相手の性格を見てから言った方が良いでしょう。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:空気を読むことができない

会話の中で空気を読むことができない人に対しては、社交辞令が通じない場合があります。

たとえば、お肌の手入れをいつも念入りに心がけていると言う女性に対して『実年齢よりも10歳は若く見えますね』というような言葉をかけることは、その会話の中では自然な発言ですが、さすがに“10歳”という部分を真に受ける人はなかなかいないでしょう。

ですが、会話の流れとして、その言葉が社交辞令だと気づいた人は『嬉しい』とか『頑張った甲斐があるわ』というような軽い返事を返します。

しかし、会話の空気を読むことができない人は、その言葉を真に受けて実年齢よりもかなり若い服装をするようになってしまったり、濃いメイクをするようになってしまったりします。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:冗談が通じるような人ではない

普段から冗談が通じないような人に対しては、社交辞令も通じにくい傾向があります。

このような場合、こちらが空気を読んで発言した社交辞令に対して、怒ってしまう人も少なくありません。

たとえば、新しい上司が転属された歓迎会の際に『これから毎日でも飲みの席を設けたいですね』というような冗談を言うこともあるでしょう。

ですが、その上司がお酒好きだったり、まっすぐ家に帰りたくない人だったりしますと、冗談を真に受けて毎日のように飲み会に誘われてしまいます。

このように、冗談が通じない人はこちらの言葉の真意を理解することができませんので、社交辞令のような会話の中で言っておくべきであろう表向きだけの言葉も真に受けてしまいます。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:皮肉を言っても通じない

相手に対しては遠回しに非難するような皮肉の言葉を言っても通じにくい人にとっては、社交辞令も通じにくい傾向があります。

と言いますのも、皮肉も社交辞令も会話の中の流れや空気を読んで、相手の言いたいことを聞く側が読み取らなくてはならない言葉です。

ですので、皮肉として言われた言葉を真に受けて、相手が伝えたい真意とは違う意味として捉えてしまう人にとって、社交辞令として言われた言葉も真に受けてしまいがちです。

たとえば、最近太ってきた人が『随分と幸せな生活をしているのね』というような皮肉を言われた際に皮肉が通じない人は、その言葉を真に受けてしまって、周りの人から『幸せそうで羨ましい』というように羨まれていると思ってしまいがちです。このように受け取り方は人それぞれなのが、難しいところです。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:根っからの真面目

考え方が真面目な人は、相手から言われた言葉をそのままの意味として捉えてしまいますので、社交辞令が通じないことが多いです。

たとえば、過去に仕事でお世話になった人に再会した際に『今度、都合が合う時に食事でも行きましょう』と誘われましたら、真面目な人は仕事の都合をつけてでも相手と会うための時間を作ろうとします。

そして、たとえその言葉が社交辞令だったとしても、真面目な人は相手の言葉をそのままの意味で捉えてしまいますので一度、誘われると逆に自分のほうから「いつ頃行きますか?」などと相手のことを誘い続けたり、連絡を取り続けたりしてしまいます。

ですので、相手からは社交辞令が通じない面倒な人だと思われてしまうことも少なくありません。ただ、相手が本当に食事に行きたがっているときには、自分から何もしなくても相手の方から何度もコンタクトをとってきますので、そのときには誘いにのればいいのです。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:社会経験が乏しい

まだ社会に出て日が浅い人や社会経験が乏しい人は、社交辞令を言うことや言われることに慣れていませんので、その場の空気で発言した言葉も真に受けてしまいがちです。

たとえば、今までは学生生活を送っていて初めて社会に出た新入社員のように、まだ社会に出て日が浅い人は、社交辞令に慣れていない場合が多いです。

また、自営業を営んでいる親の手伝いをしていた人などは、社会に出ていたとしても社交辞令を言ったり言われたりする場面に遭遇したことが少ない傾向があります。

ですので、そういった環境に置かれた方が急に相手から社交辞令を言われますと、その言葉を真に受けてしまって、言われたままの意味として捉えてしまうことも少なくありません。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:性善説が当たり前と思っている

性善説を信じている人は、相手から言われた社交辞令の言葉を疑うことなく、そのままの意味として捉えてしまうことが多いです。

性善説とは、人間の本性は基本的に善であるというような中国、古代の性論のひとつです。

つまり、性善説が当たり前と信じている人は相手から言われた言葉は嘘偽りのない気持ちの表れだと思っています。

ですので、心からの気持ちを述べたわけではなく、その場の空気を取り持つために発言される社交辞令のような言葉でも、性善説を信じる人は疑うことなく信じてしまいます。

そして、社交辞令で言われた約束は、いつか必ず果たされるものだと思っていますので、社交辞令を言った相手が約束したことを忘れているような場合でも、性善説を信じている人は約束が果たされるまでしっかり覚えていることが多いです。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:普段からあまり褒められたことがない

日常的に褒められる経験が少ない人は、社交辞令として言われた褒め言葉も間に受けてしまいがちです。

と言いますのも、褒められることに慣れていない人は、不意に相手から褒め言葉を言われますと嬉しい気持ちを抑えることができなくなってしまいます。

すると、相手の言葉が本心か社交辞令かということを冷静に考えることができなくなってしまって、言われたままの言葉の意味としてとらえてしまいます。

ですので、褒められたことが、もしかしたら社交辞令かもしれないと疑ったとしても、褒められることに慣れていない人は言われた言葉をそのまま受け止めたいと思ってしまいます。

また、たとえ社交辞令だったとしても、褒められたことを嬉しいと思って喜んでしまいます。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:自信過剰なのでお世辞が通じない

自信過剰な人は、 自分は何でもできて誰からも尊敬されて褒められるべき人間だと思っている傾向があります。

ですので、相手から社交辞令で褒められた場合でも、自分は褒められることが当たり前だと思っていますので、その言葉を疑うことなく間に受けてしまいます。

たとえば、自分がカッコいいと思っている人が他人から『かっこいいね』という言葉をかけられますと、その言葉が機嫌をとるための社交辞令だったとしても、自信過剰な人は当たり前のことを言われただけだと思ってしまいます。

ですので、周りの人からは社交辞令で言った褒め言葉も真に受けるような『ナルシストな人だ』という印象を持たれてしまうことも多いです。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:国語力が備わっていない

社交辞令が通じない人は、自分の気持ちを伝えたり相手の言葉を正確に読み取ったりする国語力が備わっていないと考えられます。

と言いますのも、国語力が低い人は正確な文脈を理解することができませんので、言われた言葉のままの意味としてとらえてしまいます。

ですので、社交辞令で言われた言葉はもちろんのこと、その前後で話した会話の内容や流れをうまく理解することができなくて、相手の言葉の真意を理解して話を聞くことができません。

このように、国語力が備わってないと社交辞令が通じないだけではなく、相手から言われたちょっとした皮肉や冗談なども言われたままの意味としてとらえてしまいますので、相手の本当の気持ちや伝えたい内容を正確に読み取ることができない場合が多いです。

こういう場合は、国語力を身に着けるために、普段から小説などを読む習慣をつけると自然と身についていきます。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:コミュニケーション障害に近い

相手の話を聞くのが苦手な人は、社交辞令が通じない場合が多いです。

そもそも社交辞令というのは、その言葉だけを切り取って聞くのではなく、前後の会話をしっかりと聞くことで、相手から言われたことが本心なのか、話の流れで言った社交辞令なのかということを見極めます。

ですので、相手の話を聞くことが苦手な人は会話の文脈や流れを理解することができなくて、相手の言葉の真意をはっきりと理解することができません。この状態は一種のコミュニケーション障害に近いものがあります。

そして、褒められたという事実だけが記憶に残ってしまって、前後の会話の内容は記憶に残っていませんので、社交辞令で言われた言葉だけを聞き取って真に受けてしまう傾向があります。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:自分勝手な思い込みをしてしまう

自分勝手な思い込みをしてしまう人は、社交辞令が通じにくい傾向があります。

思い込みが激しい人は自分が信じることや感じたことは、誰に何と言われようと正しいことだと強く信じている場合が多いです。

ですので、自分が信頼する人から何かを言われたり、自分が思っている通りのことを他人に言われたりしますと、その言葉を疑うことなく真に受けてしまいがちです。

たとえば、自分が信頼する友人から『その服かわいいね』と言われますと、相手が社交辞令を言っているとは夢にも思いませんので疑うことなくその言葉を信じてしまいます。

また、自分自身が優秀だと思っている人が他人から『頭がいいね』と言われますと、思い込みが激しい人は当たり前のことを言われただけだと感じてしまいます。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:相手の気持ちを考えられない

相手の気持ちを考えることができない人に対しては、社交辞令を言っても通じないことが多いです。

そもそも相手の立場に立って物事を考えることができないと、相手がどのような意図を持って自分のことを褒めているのかということを考えることができないからです。

ですので、人から言われた言葉は、そのままの意味として受け取ってしまう傾向がありますので、相手から言われた社交辞令も真に受けてしまいがちです。

このように、相手の立場に立って物事を考えることができない人は、他人のことを考えない自分勝手な考え方をしてしまうことも多いので、社交辞令が通じないだけではなく相手から言われた言葉を、自分の都合が良いように捉えてしまう傾向もあります。

社交辞令が通じない人の特徴と心理:行動が早すぎる

社交辞令か通じない人は、すぐに行動を起こしてしまう傾向があります。

社交辞令が通じない人にとって相手から社交辞令で誘われたことや期待されたことは、約束をしたと捉えてしまうことが多いです。

たとえば、同窓会に久しぶりにあった友人に『また会おうね』というような社交辞令を言いますと、社交辞令が通じない人は本当にすぐに相手に対して連絡を入れてしまいます。

そして、相手にその誘いを断られますと、またその次の日とか来週というように、近々で約束を取り付けようとする行動の早さがあります。

ですので、社交辞令が通じなくて、すぐに約束を取り付けようとする人は相手からは『しつこい』とか『本当に誘われるとは思っていなかった』というように思われることが多いですので自分からは誘うのはやめるようにしましょう。

本当に会う気があれば、相手の方から連絡がきますので、そのときまで待つようにしましょう。

社交辞令を真に受けてしまう人への対処法

もしあなたの周りに社交辞令を真に受けてしまう人がいたら、基本的には社交辞令を言わないことが一番良いでしょう。

また、社交辞令が通じないようなタイプの人がいたら、このようなタイプは曖昧な表現をされたり遠回しな言い方をされたりすることもあまり得意とはしませんので、基本的には伝えたいことは、はっきりと直接的な表現をすることが大切です。

たとえば、社交辞令として『また今度飲みましょう』と言いたい時には、『今度の忘年会は空いてますか?ぜひ、忘年会で飲み明かしましょう』というように、直接的な言い方をして自分から日時を指定しますと、相手もすんなりと理解をしてくれます。

このように真に受けられても問題ないような言い方をしますと、お互いに不快な思いをすることがなくなるでしょう。

社交辞令の見分け方

相手の言葉が本心なのか社交辞令なのかということを見分けるためには、以下のようなポイントがあります。

・相手の性格
・社交辞令特有の言葉
・会話の流れ

相手の性格

相手の言っている言葉が本心なのか社交辞令なのか判断が難しい場合には、相手の性格を参考にすると良いです。

たとえば、相手が非常に社交的で人との交流を深めることに喜びを感じるような性格の人でしたら、相手からの誘いはおそらく本心で『一緒に飲みに行こう』とか『遊びに行こう』と言っていると考えられます。

逆に、相手がとても内向的な性格で、会話もあまり盛り上がっていない中で言われた誘いは、その場を上手に取り持つための社交辞令である場合が多いです。

また、相手と自分の関係性の深さによっても、深い交流がある人は本心で誘っている可能性が高いですし、あまり交流がない人は社交辞令として言っている可能性があるでしょう。

ただ、基本的に相手の考えていることを読み取るのは難しいので、社交辞令ではないときには、相手の方から誘ってきますので、そのときまで待つようにするのが得策です。

社交辞令特有の言葉

会話をしていく中では、社交辞令としてよく使われる言葉というものがあります。

たとえば、『今度◯◯でも』とか『機会がありましたら』というような言葉は、社交辞令をいう際の枕言葉としてよく使われる言葉です。

また、『また誘ってくださいね』という言葉は一見しますと次回を期待するような言葉に思えますが、このような誘ってもらうことを待っているような言葉は、逆を言いますと自分からは誘う気は無いというような気持ちの表れだとも言えるでしょう。

このように、社交辞令をいう際には言った側と聞いている側の、お互いが社交辞令だと認識することができるような、お決まりの言葉も存在します。

会話の流れ

相手の言葉は、会話の流れから社交辞令なのか本心なのかということを読み取ることができます。

たとえば、人気のスイーツのお店の話で盛り上がっているときに『一緒に行かない?』と誘われましたら、行くお店も目的も既に特定していますので本心で誘われていると考えられます。

逆に、別れ際に『また機会がありましたら会いましょうね』というような言葉をかけられましたら、いつどこで、どのような目的で会うのかということが非常に曖昧です。

このように、その時その時のシチュエーションの背景を読み取っていくと社交辞令かどうかの判断ができるようになってきます。