仮面夫婦になってしまうケースは一部の家庭だけで発生するのではなく、どこのご家庭でも十分にあり得ることです。
なぜなら、もともと考え方の違う夫婦が一緒に暮らすことでお互いの価値観の微妙な違いや性格の違い、さらには生活スタイルの違いを乗り越えることができないといずれ夫婦の溝が大きくなり、仮面夫婦の原因となってしまうからです。
ですが、こういった仮面夫婦は子供に対してかなりの影響を及ぼすと言われています。心当たりのある方は、一度、仮面夫婦が子供に与える影響を考えてみる必要があるでしょう。
そこで、今回は、仮面夫婦が子供に与える影響や仮面夫婦を改善する方法やきっかけについて、ご紹介していきます。
そもそも仮面夫婦の意味とは
仮面夫婦とは、一見しますと周囲からは非常に仲が良さそうに見える夫婦ですが、一度、家庭の中に入りますと不仲だったり会話がほとんどなかったりする夫婦のことを指します。
このように、結婚を決めるほど仲が良かった夫婦が仮面夫婦になってしまう原因は、その家庭によって異なりますが、離婚をすることは避けて関係性を修復しようとしない夫婦が仮面夫婦となることが多いです。
また、仮面夫婦は家の中ではほとんど異なる行動を取って、それぞれ同じ家の中で別々に生活を送っていることが多いですが、外に出るときや夫婦で子どもの行事に出席する際には他の夫婦以上に仲の良い夫婦を装う傾向が強いです。
ですので、周囲から見ますとおしどり夫婦だと思われることも多くて、家庭内の実状を友人などに相談しても、あまり信じてもらえないことが多いです。
仮面夫婦と家庭内別居の違いとは
不仲にもかかわらず、離婚する道を選ばない仮面夫婦と家庭内別居は、意味が似ているようですが異なる部分が多いです。
まず、仮面夫婦は不仲ではありますが人前では仲が良いフリをして周囲からは夫婦仲が悪いことを気づかれないように気を遣っていることが多いです。
このように、仮面夫婦は基本的に意見が合わなかったり理解しあえなかったりすることが多いですが、外に出ましたら仲が良い夫婦を装うという点では夫婦の意見が合致していますので、その点では協力し合うことができます。
その一方で、家庭内別居をしている夫婦は結婚生活を続けていく気が夫婦のどちらにもない、いわゆる離婚寸前の状態のことを指します。
ですので、仮面夫婦との大きな違いは、周囲の人にも夫婦の不仲がバレることも厭わないというような対応を双方がしていますので、夫婦で一緒に出かけることもないですし、たとえ外に出ても必要以上に会話をすることがほとんどないという点です。
仮面夫婦の離婚率
現在、結婚している夫婦の中のなんと3割ほどが仮面夫婦だと言われています。
しかし、そもそも仮面夫婦には、はっきりとした定義がありませんので夫婦の認識で自分の家庭が仮面夫婦かどうかが決まってしまいます。
ですので、仮面夫婦の中でどれほどの夫婦が離婚を選ぶかという事もはっきりとはわかりませんが半数以上の仮面夫婦は、いずれは離婚を選ぶと考えられます。
と言いますのも、仮面夫婦のおよそ半分は子供が成人するまでは離婚を思いとどまっているケースが多いです。
ですので、子どもが成人した時点できっぱりと離婚をする夫婦も多いです。
そして逆に、金銭的な理由で離婚を思いとどまっている仮面夫婦は、離婚を選ぶことは少ないです。
仮面夫婦が子供に与える影響
子どもがいる家庭的夫婦が仮面夫婦ですと、子どもには以下のような影響を与えてしまいます。
・仮面夫婦を理解できない
・精神的ストレス
・不登校や引きこもり
仮面夫婦を理解できない
子どもは、夫婦の事情を理解する事はもちろん、なぜ家の中では会話をしないのに外に出ますと仲が良いフリをするのかという理由もわかりません。
しかし、子どもは敏感ですので父親と母親の関係がピリピリしていることに違和感を覚えたり、仲が悪い理由が分かりませんので、自分はどちらと会話をしたら良いのかということに悩んでしまったりします。
また、なぜ家の中と外では違う性格をしているのかということを聞きたくても聞けない雰囲気があり、理解ができなくて親に合わせることに疲れてしまう子どもも多いです。
このように、仮面夫婦は思春期の子供に対して不安や寂しさを与えてしまいがちになります。
精神的ストレス
家庭内で仮面夫婦を続ける父親と母親がいますと、子どもは精神的ストレスを抱えてしまいがちになります。
と言いますのも、仮面夫婦は家の中と外では全く性格が異なりますので父親と母親の、その二面性のある性格を受け止めることは、事情を知らない子供には難しいでしょう。
そうしますと、精神的にストレスを抱えてしまって、うつ病になってしまったり摂食障害になってしまったりして、子どもが食事をとることもできなくなってしまったり人と会話をすることを恐れてしまったりするケースも少なくありません。
不登校や引きこもり
仮面夫婦がいる家庭で育った子どもは、父親や母親の二面性のある性格や、家の中での冷め切った雰囲気に理解しがたい緊張感を感じることが多いです。
そして、このような環境に長く置かれていますと、誰もが二面性のある性格をしていて、みんなが本心とは違う自分を装っているのではないかと思ってしまいます。
そうしますと、人と接することが怖くなってしまって学校に行くことを拒否するようになったり、家に引きこもりがちになったりしてしまいます。
また、ひどい場合には仮面夫婦の両親に冷たい対応をされ続けた子どもは、リストカットのような自傷行為を繰り返すことで自分の存在価値を見出そうとしてしまうことも少なくありません。
このように、仮面夫婦は自分たちの問題だけではなく想像以上に子供に対する影響は大きくて重大なものになっていると考えられます。
仮面夫婦の行く末
仮面夫婦は、もともと不仲であることが多いですので、離婚する夫婦が多いと思われがちですが、実際のところは仮面夫婦の中でいずれ離婚を選ぶ夫婦は半数程度だと言われています。
と言いますのも、夫婦が仮面夫婦になってしまった理由によっては、離婚をしないで生涯仮面夫婦である夫婦もいますし、何かがきっかけで夫婦関係を修復できる可能性も充分にあります。
たとえば、離婚をせざるを得ない事由が起きたとしても子どものために離婚を思いとどまっていた仮面夫婦は、子どもの成人を機に離婚を選ぶでしょう。
また、逆に金銭的な理由で離婚ができない夫婦は、その問題が解決されない限り仮面夫婦を続けるでしょう。
さらに、理由があって仮面夫婦を続けていたけれど、待望の子どもができたことで夫婦関係が修復されるということも十分に考えられます。
仮面夫婦を改善する方法・修復するきっかけ
仮面夫婦を改善する方法のなかで修復するきっかけは以下のとおりです。
・挨拶をする・笑顔を作る
・会話をする
・手紙を書く
・愛情を表現する
・旅行へ行く・ドライブに連れ出す
・相手を認める・相手の話を聞く
・カウンセリングを受ける
・浮気調査で浮気をやめさせる
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:挨拶をする・笑顔を作る
仮面夫婦のどちらかでも、関係を修復させたいと感じましたら、まずは相手に対して挨拶をしてみたり、タイミングを見計らって笑顔を作るようにしたりすると夫婦関係の修復には良いきっかけになるでしょう。
と言いますのも、仮面夫婦の中には相手に嫌悪感を抱いている人もいますが、なんとなく言い合いがきっかけで話をするタイミングを失ってしまったというような仮面夫婦も多いです。
このように、相手も関係を修復するタイミングを失っているだけということも考えられますので、まずは勇気を出して自分からきっかけを作ってみると良いでしょう。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:会話をする
家の中で冷め切った雰囲気がある仮面夫婦が関係を改善させたいと感じましたら、家の中でも会話をするように試みると良いです。
たとえば、仮面夫婦は家の外では仲よさげに話をすることができますので、その時の会話や出来事について、さりげなく家の中でもパートナーに話しかけてみましょう。
この時、自分が緊張してしまいますと相手も返事をしにくくなりますので自然な形で話をすることがポイントです。
そうしますと、いつもは会話をすることもないようなパートナーも、自然に返事をしたり相槌を打ったりしてくれる可能性が高くなります。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:手紙を書く
家の中で会話をすることがない仮面夫婦が、パートナーに気持ちを伝えたいと感じましたら自分の気持ちや考えを手紙に書いて伝えてみるのも1つの手段です。
このように直接、話をするのではなく手紙に記しますと自分の気持ちも落ち着いて書くことができますし相手も落ち着いた気持ちで読むことができます。
そうしますと、言いたいことを言えなかったり気持ちを伝えきれなかったりすることもありません。
また、手紙はメールなどに比べて気持ちが伝わりやすいですし直接気持ちを伝えられるよりも冷静に気持ちを受け取ることができるでしょう。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:愛情を表現する
パートナーに対する気持ちが無くなったわけではないという仮面夫婦も少なからずいます。
たとえば、すれ違い続きの生活は相手を嫌いになっていなくても仮面夫婦になってしまう可能性があります。
ですので、このようなタイプの仮面夫婦が関係を改善させたいと感じましたら、プレゼントを用意したり手料理を作ってみたりというように、パートナーに対して愛情表現をしてみるとよいでしょう。
そうしますと、お互いが忙しくてすれ違ってばかりの夫婦でも、パートナーのために時間を作って一緒に過ごしたいという気持ちが芽生え始めるでしょう。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:旅行へ行く・ドライブに連れ出す
仮面夫婦である自分たちの関係性を改善させたいと感じましたら、一緒に少し遠くに旅行へ行って、いつもとは違う雰囲気の中で同じ時間を共にしてみるのも1つの手段です。
また、旅行に行っても間が持たないと感じましたら、まずはドライブに一緒に行くところから始めてみることをおすすめします。
と言いますのも、ドライブは自分のタイミングで帰ってくることもできますし、盛り上がりましたら、そのまま遠くに出かけてみることもできます。
このように、仮面夫婦を改善するためには思い切って2人だけの時間を作ることも、とても大切です。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:相手を認める・相手の話を聞く
仮面夫婦になってしまう原因は、夫婦それぞれですが、よく考えますと自分の主張が先行してしまっていて相手の主張を聞いていなかったというケースも少なくありません。
また、長年、仮面夫婦を続けていますと自然に相手の存在を大切にしなくなってしまいます。
ですので、仮面夫婦を改善したいと考えましたら相手の主張や考え方にしっかりと耳を傾けた上で相手の存在を認めてあげると良いです。
そうしますと、パートナーもこちらを認めて興味や関心を持ち直してくれて、良好な夫婦関係に戻ることができる可能性が高くなるでしょう。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:カウンセリングを受ける
夫婦がお互いに仮面夫婦を改善したいと考えていても長年、仮面夫婦を続けていたり、きっかけが掴めなかったりしますと、なかなか仮面夫婦を改善する事ができない場合もあります。
ですので、そのような時には思い切って夫婦で心療内科などのカウンセリングを受けることもひとつの手段です。
また、離婚相談だけではなく夫婦関係の改善についての相談にも親身にのってくれる弁護士も多いです。
このような夫婦関係の修復をするプロに話し合いの仲介役を担ってもらったりアドバイスをもらったりしますと、適切に夫婦関係を改善できるでしょう。
仮面夫婦を改善する方法・きっかけ:浮気調査で浮気をやめさせる
パートナーの浮気に気づいていながらも、子どもがまだ学生だったり世間体が気になったりという理由で、浮気を問い詰めることもできない状態ですと、表向きは明るく振舞っていても、お互いに内心はストレスを抱えていることも多いです。
ですので、このように離婚をすることができない理由を抱えながら浮気をやめさせて、今までの夫婦関係を取り戻すためには、浮気調査で浮気をやめさせることがおすすめです。
このように、仮面夫婦となってしまった根本の原因が分かっている場合には、その原因に対する対処をすることが一番の手段でしょう。